【冬のスズメバチ】過ごし方は?巣は空っぽ?生態を知って被害を防ぐ
スズメバチの基礎知識

【冬のスズメバチ】過ごし方は?巣は空っぽ?生態を知って被害を防ぐ

投稿日:2024年4月1日

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「スズメバチは冬になると死ぬって本当?」
「巣の中にスズメバチはいるのかな?」

みなさんこんにちは!ハチおじです!
スズメバチの冬の生態について解説いたします!

スズメバチは11月ごろをすぎると、女王バチや働きバチが寿命で死んでしまいます。
新女王バチのみが土の中や朽木で越冬するため、冬にスズメバチを見かけることはほとんどなくなるでしょう。

ただし、夏や秋に見つけた巣を撤去せずに、冬まで放置するのはオススメできません。
スズメバチは秋になるとエサ不足などの理由から凶暴化するため、放置すると刺されるリスクが一気に高くなってしまうんです。

また、冬に見つけた巣もすぐに撤去することが重要。
巣が翌春に再利用されることはありませんが、アシナガバチが越冬場所として住みつく可能性があるんですよ。

本文中では、冬のスズメバチに関する以下4つの情報を詳しくご紹介いたします。

スズメバチの冬の生態はもちろん、翌春のスズメバチ被害を防ぐ方法についても身につけてくださいね。
それではまいります!

「家に巨大な巣ができている…」という方はスズメバチ駆除業者に依頼して、駆除から巣の撤去、再発対策までおまかせしてみてはいかがでしょうか!

【ハチおじ】スズメバチ大好きおじさんのスズメバチ相談室は、スズメバチに関するあらゆる悩みの解決を目的として運営しているサイトです。

豊富な知識や駆除経験を持つ歴30年のハチ愛好家・ハチおじが、生態や駆除方法、対策方法までスズメバチの悩みをまるっと解決します。

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死ぬって本当?冬のスズメバチの生態

冬眠中のスズメバチ

冬になると、女王バチ・働きバチ・オスバチは寿命を迎えて死んでしまいます。
次の世代を担う新女王バチのみが巣を出て、寒さをしのげる場所で冬眠するんです。

そのため、冬のスズメバチの巣は空っぽになるんですよ

スズメバチの活動時期は4月〜11月とされており、暖かくなった春ごろに新女王バチは冬眠から目覚め、巣作りと子育てをはじめます。
6月〜8月ごろには働きバチの数がピークに達し、一生の中で最も攻撃的になるんです。

こちらの記事ではスズメバチの一生や、危険な時期にとるべき対策についてご紹介しています。
活動時期はいつまで?スズメバチの危険な時期と対策を知って被害を防ぐ

スズメバチがどのように冬を迎え、過ごすのか、さらに詳しくご説明いたしますね。

女王バチと働きバチは寿命で死ぬ

女王バチと働きバチは、11月ごろに寿命で死んでしまいます。

スズメバチは気温が15℃を下回ると活動が鈍くなり、10℃よりも寒くなるとほとんど動くことができなくなるためです。
さらにエサである昆虫の数も減ってしまうので、生き残ることが難しくなるんですね。

暖冬の場合は12月ごろまで生きていることもあるため、確実に死んでしまうわけではないことに注意しましょう!

働きバチが死に、空っぽになった巣は駆除経験のない方でも安全に撤去できます。
詳しい手順は「「冬の巣は放置OK」は誤解!すぐに撤去を」にてご説明いたしますね。
※ページ下部へと移動します。

ここで、実はスズメバチの寿命をのばす寄生虫が存在することをご存知でしょうか?
ネジレバネという寄生虫に寄生された女王バチや働きバチは冬になっても生き続け、なんと冬眠まで行うんです。

ただし、ネジレバネに寄生された働きバチはエサ集めなどの仕事をしなくなり、女王バチは生殖行動を行うことができなくなります。

そのため危険性は低くなりますが、針や毒はなくならないため、うっかり触って刺されないように注意しましょう。

オスバチは巣の外で交尾を行う

オスバチは新女王バチとともに、秋ごろに誕生します。
オスバチの大きな役割は、他巣の新女王バチと交尾を行い子孫を残すこと。

成長すると巣を出ていき、ニオイをたどって女王バチのもとへ向かい交尾を行います。

小柄なオスバチにとって、自分より体が大きい女王バチと行う交尾は命がけ
女王バチが抵抗することもあるため、交尾を終えることなく死んでしまうことも…

スズメバチの中でもとくに、ヒメスズメバチの交尾は高層ビルの屋上など、高所で見られることがあります

スズメバチが集団で飛び交っている様子は、とても危険な状況に感じるでしょう。
しかしオスバチには人を刺す針がないため、さほど危険な状態ではないんですよ。

新女王バチは冬眠する

秋ごろに生まれた新女王バチは、約半年間の厳しい寒さと絶食を乗り越えるために、体に脂肪を蓄えていきます。
やがて成長すると他巣のオスバチと交尾をし、「受精嚢(のう)」と呼ばれる場所に精子を保存した状態で冬眠するのです。

スズメバチの越冬場所は種類によって異なり、大きく次の2つにわけられます。

  • 土の中:オオスズメバチやヒメスズメバチなど
  • 朽木や倒木の中:コガタスズメバチやキイロスズメバチなど

都心部に営巣した場合であっても、寒さがしのげる場所を求めて雑木林などへ移動するんですよ。

基本的に、一つの場所に新女王バチが一匹で過ごします。

ただしまれに、コガタスズメバチ集団で越冬することもあるんです!

こちらの動画(5:45〜)では、倒木で越冬する2匹のコガタスズメバチの様子を確認できます。

寒さのせいで動きは鈍いですが、危険なスズメバチであることには変わりません。
決して素手で触らないようにしましょう。

後ほど詳しくご紹介しますが、冬眠中の新女王バチに刺されるといった被害が実際に発生しているんですよ。


冬のスズメバチの生態についてご紹介しましたが、「いずれ寿命で死ぬなら、冬まで巣を放置しても良いのかな…?」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、夏や秋ごろに見かけた巣を、冬まで放置するのはオススメできません。

冬の前に訪れるは、スズメバチが凶暴になる時期なんです。
この時期の働きバチは、翌年に子孫を残すためにオスバチや新女王バチを守る必要があります。
さらにエサの数も不足するため、秋のスズメバチは攻撃性が増した非常に危険な状態になっているんですよ。

秋のスズメバチの生態や、刺されないために注意すべきポイントについてはこちらの記事をご確認くださいね。
秋はスズメバチが凶暴に!正しい対策で危険な時期を乗り切ろう

スズメバチの巣は冬まで放置せずに、見つけ次第すぐに撤去することが大切です!

アシナガバチやミツバチは冬をどう過ごす?

私たちのまわりには、アシナガバチミツバチも生息しています。
2種類のハチは、それぞれ以下のようにして冬を過ごすんですよ。
 

■アシナガバチ:

スズメバチと同じく新女王バチのみが越冬し、働きバチをはじめとする他のハチは10月ごろになると死んでしまいます。

越冬場所は朽木の中をはじめ、屋根裏や床下などさまざま。
まれに、空になったスズメバチの巣も越冬場所になるんですよ。

また、フタモンアシナガバチセグロアシナガバチは一匹ではなく、数百匹以上の集団で越冬することもあります。
床下で越冬しているアシナガバチが暖房の影響で目覚め、集団になって家主を襲ったという事例もあるため、油断は禁物です。
 

■ミツバチ:

ミツバチは11月ごろに活動を終えると、巣の中で働きバチと女王バチが体を密着させた状態で、集団になって越冬します。

働きバチはこのとき細かく羽を動かし続けており、暖かい空間を作り出しているんです。

スズメバチやアシナガバチと違い、ミツバチが越冬する際には大量の働きバチが生き残っています。
警戒心が強くとても危険なため、巣を見かけても近づかず、駆除は専門業者に依頼しましょう。

「冬の巣は放置OK」は誤解!すぐに撤去を

冬に見つけたスズメバチの巣は撤去しましょう

基本的に、空になったスズメバチの巣が、翌春になって別の女王バチの巣として再利用されることはありません。

しかしだからといって冬の巣は放置せず、見つけたらすぐに撤去しましょう。
放置したスズメバチの廃巣に、大量のアシナガバチが住みついていた…という危険な状況になりかねないんですよ。

働きバチがいなければ、安全に巣を撤去できます!
次の4つの道具を準備しましょう。

  • 防護服
  • スズメバチ用の殺虫剤
  • 剪定用のハサミ、棒
  • ゴミ袋

念のため、防護服は必ず準備してくださいね。

撤去の手順は以下の通りです。

  1. 防護服を着用した状態で巣に殺虫剤を吹きかけ、中にアシナガバチがいないか確認する
  2. 剪定用のハサミや棒を使って巣を撤去する
  3. 巣をゴミ袋に入れ、可燃ごみとして処分する

大切なのは、最初に巣の中にハチが潜んでいないか確認すること。
こちらの方のように、冬の作業であっても100%巣が空っぽとは限らないんです…

12月になったし、多分もう中にはいないはずだ。と思い、巣の出入り口にハチ駆除用ジェット殺虫剤を吹き付け、巣全体がしっとり濡れた状態にして、しばらく放置してから、ビニール袋で覆って撤去を始めました。

壁面から剥がし取った時に、巣の一部が崩壊し、中から20匹ほどのスズメバチが、フラフラヨタヨタしながら飛び出してきました。こんな冬に、まだ巣の中に成虫がいるなんて。万が一を考えて、殺虫剤を吹いていなければ、襲われたと思います。

引用元:Yahoo!知恵袋

少しでも自力での撤去に不安がある方は、スズメバチ駆除の専門業者におまかせするのが最も安全な方法ですよ!

専門業者に依頼して安全に駆除するのがオススメ

専門業者であれば、たとえ巣の中に働きバチが残っている状態であっても確実に駆除してくれます。
ハチおじイチオシの業者「みんなのハチ駆除屋さん」は、屋根裏や床下などの作業が難しい場所にできた巣の撤去もおまかせできますよ。

「でも業者に依頼すると料金が気になる…」という方は、以下の記事でご紹介している、駆除料金を安くする3つのコツを参考にしてみてください!

駆除料金の業界相場や、実際に業者に依頼した方の声をご紹介しています!
【スズメバチ駆除の料金相場】安くする3つのコツとオススメ業者を紹介

自治体が巣の撤去を行ってくれる場合もありますが、冬季の巣は対象外としている地域もあるため注意が必要です。

あなたの自治体ではどのような対応をしてくれるのか、ホームページなどから確認してみましょう。

【再発を防ぐ!】スズメバチの巣作り対策方法3つ

殺虫剤でスズメバチの巣作り対策

スズメバチの巣ができたということは、その場所は巣作りにぴったりな環境だったということです。
そのため巣作り対策をしないと、繰り返し同じ場所に巣を作られる可能性があります。

スズメバチが巣作りをはじめる4〜6月前半になったら、しっかり対策しましょう!

今回は、以下3つの巣作り対策をご紹介いたします。

  1. 殺虫剤を吹きかける
  2. 木酢液を吹きかける
  3. スズメバチトラップを設置する

これらの対策は、一度巣を作られた場所だけで実行するのでは不十分です。
スズメバチはあらゆる場所に巣を作るため、被害を受ける可能性のある場所に抜け漏れなく対策する必要があるんですよ。

そのため、まずはスズメバチが巣を作りやすい場所を確認していきましょう。

スズメバチの営巣場所

家のまわりでは、スズメバチは以下のようなところに巣を作ります。

  • 軒下
  • 家の外壁、壁にできた隙間の中
  • 天井裏
  • 床下
  • 庭木の枝
  • 土の中

これらの他にも、雨風をしのげる場所や外敵に見つかりにくい狭い場所を好んで巣を作るんです。
ベランダの手すりや、室外機の中にまで巣を作ることがあるんですよ。

巣作り対策①:殺虫剤を吹きかける

殺虫剤には吹きかけた場所にスズメバチを寄せ付けない、忌避効果が見込める商品が多く存在します。
対策したい場所にじっとりと濡れるくらい吹きかけておくと、1〜2週間ほどはスズメバチが寄りつきませんよ。

オススメの殺虫剤はこちら。

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吹きかけた場所に駆除効果を持続させる、「トラロメトリン」というピレスロイド系の成分が含まれています。
噴射距離を計測したところ3〜4メートル届いたため、高所にも十分に吹きかけられる殺虫剤ですよ。

巣作り対策②:木酢液を吹きかける

木酢液にもスズメバチを寄せ付けない忌避効果が見込めます。
スズメバチは、木酢液独特のツンとしたニオイを本能的に嫌うんですよ。

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木酢液は木材を燃やしたときに出る煙から作られるため、薬剤などが含まれていません。
そのため、植物のまわりでも安心して使用できますよ。

ただしニオイは人間にとっても強烈なため、必ず水で1:1程度に薄めてから使用しましょう。

巣作り対策③:スズメバチトラップを設置する

スズメバチトラップは上記2つのスズメバチを寄せ付けない方法と違い、スズメバチを駆除することで巣作りを対策する方法です。
甘いニオイのする誘引液で女王バチをトラップの中におびき寄せたあと、そのまま溺れさせて駆除します。

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ただし、設置できる時期は働きバチが羽化する前の3月〜5月の間のみです!

この時期をすぎると、多くの働きバチが活動をはじめます。
トラップのニオイにつられて働きバチが集まってしまうと、刺されるリスクが高くなり大変危険なんです。

正しく使用すれば、トラップの効果はバツグン。簡単に自作することもできますよ。

トラップ完成

材料は、ペットボトルや誘引液の材料となる甘くてニオイの強い液体など。
入り口となる穴をペットボトルにあけ、誘引液を注ぐだけなので10分ほどで作れちゃいます。

こちらの記事ではトラップの詳しい作り方とともに、より駆除効果を高めるためのポイントをご紹介しています!
スズメバチトラップは効果あり?安全&効果的な作り方と注意点を紹介

冬に発生するスズメバチの被害と対策

冬のスズメバチ被害

危険な働きバチが死んでしまう冬の間であっても、刺傷被害は発生しています。
その原因は、冬眠しているはずの新女王バチによるものなんです。

ここからは、実際に冬に発生したスズメバチの被害について3つご紹介いたします。

  1. 越冬中の新女王バチに刺される
  2. 洗濯物に潜んでいたスズメバチに刺される
  3. 空になった巣にアシナガバチが住みつく

それぞれの対策方法についてもお伝えしますので、要チェックですよ。

越冬中の新女王バチに刺される

スズメバチの越冬場所は、土や朽木などの自然の中。
まれに、林業を行う方が越冬中のスズメバチを掘り起こしてしまい、刺されてしまうといった被害が発生するんです。

冬眠中に掘り起こされたスズメバチはふつう、寒さで動きが鈍っています。
しかし刺激を与えると反射的に毒針を刺そうとしてくるため、素手で触るのは控えましょう。

被害を防ぐために、スズメバチが冬眠しているであろう場所に近づかないことも大切です。

スズメバチは朽木の中でも、雨風にさらされて柔らかくなったものを好みます。
少しでも暖かい日当たりのいい場所であれば、越冬場所になっている可能性が高いでしょう。

念のため、これらの条件に当てはまる場所には近づかないようにしてくださいね。

洗濯物に潜んでいたスズメバチに刺される

なんと外に干している洗濯物の中に、スズメバチが潜んでいることがあるんです…

新女王バチは寒さをしのげる場所で越冬します。
日光に当たって暖かくなった洗濯物の中は、まさにうってつけの越冬場所なんです。

対策として、洗濯物はしっかりはたいてから取りこむようにしましょう。
また、そもそもベランダなどにスズメバチを近づけさせないために、殺虫剤を吹きかけて予防しておくのも効果的です。

スズメバチは甘いニオイを好むため、柔軟剤の使用を控えてみるのも一つの手ですよ

空になった巣にアシナガバチが住みつく

空っぽになったキイロスズメバチコガタスズメバチの巣に、アシナガバチが住みつくことがあります。
フタモンアシナガバチやセグロアシナガバチは数百匹以上の集団になって、巣の中で越冬するのです。

こちらから刺激を与えない限り、襲ってくることはまれでしょう。
しかし、危険なアシナガバチが大量に潜んでいる状況が安全とは言い切れないため、空っぽの巣は見つけ次第すぐに撤去するべきなんですよ。

まとめ

この記事では冬のスズメバチの生態について詳しくご紹介いたしました。
重要なポイントは以下の3つです。

  • スズメバチは冬になると、冬眠する新女王バチ以外は死んでしまう
  • スズメバチの巣は冬になるまで放置せず、見つけ次第駆除することが大切
  • 巣作りを防ぐためには、殺虫剤や木酢液を吹きかけたり、トラップを設置する

冬のスズメバチの巣は空っぽの場合がほとんどのため、自力でも撤去できます。
ただし大量のアシナガバチが住みついている可能性もあるため、必ず防護服を着用した状態で作業してくださいね。

安全に駆除できるか不安…という方は、スズメバチ駆除の専門業者に駆除を依頼しましょう。
駆除はもちろん、再発対策まで徹底的に作業してくれますよ。

あなたの冬のスズメバチに対する疑問や不安が解消されましたら嬉しいです!
それでは!

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