クロスズメバチ(ジバチ)はおとなしい?生態や見分け方、食用の一面も
投稿日:2024年3月30日
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「黒い蜂の正体は、クロスズメバチ?」
「クロスズメバチは安全って聞いたことがあるけど、本当?」
実は食用としての一面もある、クロスズメバチについて解説いたします!
クロスズメバチの攻撃性は低く、おとなしい性格をしています。
他のスズメバチと比べて体長は半分ほどで、ハエと見間違えてしまうほどの小ささです。
しかしそんなクロスズメバチも、巣を守るためであれば人間を攻撃してきます。
土の中などの見つけにくい場所に巣を作るため、うっかり近づいて刺激を与えてしまった人が刺されてしまう被害が発生しているんですよ。
そこでこの記事では、クロスズメバチに関する以下4つの情報をお伝えいたします!
- クロスズメバチの生態、巣の特徴や駆除について
- クロスズメバチの毒性、刺されたときの対処法
- クロスズメバチと似ている蜂との見分け方
- 食用としての一面
クロスズメバチは「ジバチ」「ヘボ」「スガレ」などとも呼ばれ、一部地域では幼虫が食材として好まれています。
クロスズメバチの知られざる一面も含めて、ぜひこの記事で詳しくチェックしましょう!
※「家の周りでクロスズメバチを見かける…」という場合、巣が隠れている可能性があります。
スズメバチ駆除の専門業者に、無料の現地調査を依頼してみてくださいね。
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クロスズメバチの生態と巣の特徴
和名 | クロスズメバチ |
学名 | Vespula flaviceps Smith |
英名 | Vespula flavice |
日本での分布 | 北海道、本州、四国、九州、佐渡島、対馬島、種子島、屋久島 |
見た目の特徴 | ・全体的に黒色 ・ところどころに白い模様がある |
クロスズメバチは名前の通り全身が黒色で、足や腹部にところどころ白い模様が見られます。
女王バチの体長は1.5cm前後、働きバチは1.0〜1.2cmほどしかありません。
大きさが最大級のオオスズメバチは女王バチが4.3〜4.5cm、働きバチが2.7〜4.0cmほどですから、クロスズメバチがどれだけ小さいかわかりますね。
生活史
クロスズメバチが活動するのは、4月〜12月の間です。
春になって冬眠から目覚めた女王バチは巣作りと子育てを行い、6月ごろから働きバチの数が増えはじめます。
10月〜12月になるとオスバチと新女王バチが生まれ、巣作りは1月まで続くことがあるんです…!
暖冬の年であれば、翌春の3月ごろまで生き続けるんですよ。
食性
エサはクモやハエなどの昆虫、花の蜜など幅広く口にします。
幼虫にはヘビやカエルなどの死骸の肉を与えるなど、肉食の一面もあるんです。
そのためピクニックなどでお弁当を食べていると、おかずの匂いにつられて近寄ってくることも。
ジュースなどの清涼飲料水の甘い匂いにも敏感に反応するため、飲み残しを放置しないようにしましょう。
巣は土の中や屋根裏に作られる
クロスズメバチの巣は、以下のような閉鎖的な空間に作られます。
- 土の中
- 屋根裏や床下
- 壁にできた隙間
巣の形状は下部が膨らんだ丸型で、ピーク時には幼虫が過ごす育房の数が8,000〜14,000程度におよび、20〜30cmほどの大きな巣になることがあります。
駆除は専門業者に依頼を
クロスズメバチの巣を自力で駆除するのは、オススメできません。
巣は見つけにくい閉鎖的な場所にできるため、「気がついたときには巨大な巣になっていた…」ということがよくあります。
作りはじめの小さい巣であっても、屋根裏や床下での作業には逃げ場がなく、駆除に慣れていない方では刺されてしまうリスクが非常に高いんです。
また、巣を見つけていないという方でも
「クロスズメバチが地面の穴に入っていった…」
「屋根裏を頻繁に出入りしている!」
などの場合、すでに巣ができている可能性が高いでしょう。
自力で巣の有無を確認すると、働きバチに襲われるかもしれません。
専門業者の現地調査をご活用くださいね。
クロスズメバチの毒性・刺されたときの対処法
「クロスズメバチは危険性が低い蜂」と考えている方もいらっしゃいます。
実際のところ、こちらから刺激を与えなければ刺してくることはほとんどありません。
しかし、巣を守るためであれば激しく攻撃してくるんですよ。
ここからは、クロスズメバチの危険性について詳しく見ていきましょう。
毒性は弱く、おとなしい性格
クロスズメバチの毒性は、他のスズメバチに比べると弱いです。
性格もおとなしいですが、自身や巣に刺激を受けると反撃のために攻撃してきます。
林業関係者の方が、土中にできた巣の近くを歩いたために襲われる被害が多く発生しているんです。
また、庭の草刈りの際に巣を刺激してしまい刺されたというケースもあるんですよ。
刺されると痛みや腫れ、赤みなどの症状があらわれます。
クロスズメバチに刺された所、病院に行けなくて二週間経った今も赤く腫れている。
— うにたん (@uniturn) January 6, 2019
流石スズメバチ。 pic.twitter.com/M4rRrJLnrl
少量であっても、毒があることには変わりません。
最悪の場合、命に危険が及んでしまう可能性もあります。
次にご紹介する刺されないために注意すべきポイントと、刺されたときの応急処置の手順についてしっかり確認してくださいね!
刺されないために注意すべきポイント
刺されないためには、クロスズメバチや巣に対して刺激を与えないことが大切です。
とくに遭遇しやすい自然部で活動するときは、以下のポイントをおさえた行動を心がけましょう。
- 香水や制汗剤など、強い匂いがするものを身につけない
- 黒い服は避け、白い服と帽子を着用する
- 土中に巣ができていないか?注意しながら歩く
- 食べ残しや飲み残しはそのままにせず、すぐに片付ける
クロスズメバチが近くを飛んでいても、焦って走り出したり、手で追い払ったりするのはNG。
攻撃の前には「カチカチ」という音を鳴らす威嚇行動をとるため、音が聞こえたら低い姿勢でゆっくりとその場を離れてくださいね。
クロスズメバチに刺されたら
万が一刺されてしまったときはすぐに応急処置を行い、毒液を体外に出す必要があります。
安全な場所へと移動したら、以下4つのステップで応急処置をしましょう。
- 刺された箇所を流水で洗い流す
- 指やポイズンリムーバーを使って毒液を絞り出す
- 抗ヒスタミン系のステロイド軟膏を塗る
- 濡れタオルや保冷剤で患部を冷やす
ポイズンリムーバーがあれば、毒液を強力に吸い出すことができます。
※口で吸い出すと体内に毒が入り込むため、大変危険です
抗ヒスタミン系のステロイド軟膏があれば、かゆみなどの症状を和らげることができますよ。
クロスズメバチに限らず、スズメバチに刺されたときは症状が遅れて表れることがあります。
刺されてすぐに腫れなどの症状が出なくても、必ず応急処置を行い、その後で医師の治療を受けてくださいね。
クロスズメバチと似ている蜂との見分け方
クロスズメバチにそっくりな蜂に、シダクロスズメバチがいます。
シダクロスズメバチ
— AntBoy🐜🐜 (@AntBoy_0) March 31, 2021
Vespula shidai Ishikawa, Sk.Yamane & Wagner, 1980
材の中で越冬していた個体
ミツバチより若干大きいくらいの体長で、白黒の体色が魅力的
かっこよくてかわいい🐝 pic.twitter.com/EXBrc665XQ
クロスズメバチ | シダクロスズメバチ | |
複眼の白い紋様 | 内側に黒い紋様がない | 内側に黒い紋様が伸びている |
顔の中央にある黒帯 | 下縁まで達していない | 下縁まで達している |
顔にかなり近づいて見ないと確認できないため、見分けるのは難しいでしょう…
また、シダクロスズメバチのほうがやや攻撃性が高いとされており、土中の巣を刺激して刺されてしまう被害が多く発生しています。
食用として好まれるクロスズメバチ
実はクロスズメバチは長野、栃木、岐阜などでは、食用として好まれています。
幼虫はタンパク質やビタミンを豊富に含んでおり、「ハチの子」として市場で高価に取引されているんです。
こちらのように、ハチの子が入った缶詰も発売されていますよ。
上記の地域でクロスズメバチ は「ジバチ」「ヘボ」「スガレ」などと呼ばれており、土中に隠れている巣を見つけるための「ジバチ採り」や「スガレ追い」は、地域文化の一つとして定着しているんです。
スガレ追いは、仕掛けておいたエサにおびき寄せられた働きバチに目印のついたエサを与え、その目印を頼りに巣を探す方法です。
参考:伊那で伝統の「すがれ追い」 蜂に目印、巣を探し出せ
危険と隣り合わせの作業ですが、スリルやクセのある味わいがやみつきになってしまうようですよ。
まとめ
いかがでしたか?
この記事でご紹介したクロスズメバチに関する重要なポイントについて、あらためてお伝えいたします。
- クロスズメバチは比較的おとなしい蜂
- 巣に刺激があると一斉に働きバチが襲ってくるため、匂いや服装、巣の近くを歩かないなどして対策をする
- 食用としての一面もあり、幼虫は栄養価が豊富な食材として好まれている
頻繁に家のまわりでクロスズメバチを見かける場合、土の中や屋根裏などの見つけにくい場所に巣ができている可能性が考えられます。
安全のため自力で探したり駆除しようとせず、スズメバチ駆除の専門業者を頼ってくださいね。
あなたがクロスズメバチの恐怖から、1日でも早く解放されますように。
それでは!
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